⏰始める前に:カットまでの時間を確保しておく
成形したあと、4〜5時間置いてからでないとカットできません(中が半生の状態で切ります)。
成形してから4〜5時間後にカットする時間が取れる方だけ、作り始めてください。夜にカットする場合は、網目が乾いたら爪楊枝から外してラップで包んでおきます。
◎
用意するもの
塗料(透明感のあるもの)
- メロンシロップ /メロンの果肉
- レモンシロップ /色の調整・完熟感
- オレンジシロップ /夕張メロンの果肉
絵の具(アクリルガッシュ)
ディープグリーン
ローアンバー
松葉色
イエローオーカー
ホワイト
仕上げ材
- ジェルメディウム /果肉(ツヤありニスでも可)
- ツヤなしニス /皮
道具
- スケール /今回はH
- ベビーオイル・綿棒
- 爪楊枝・スポンジ /乾燥用
- OPPシート・アートプレッサー
- ハサミ・ピンセット・歯ブラシ
- カッターの刃 /よく切れるきれいなもの
その他
- 筆 /塗料・ニス用は「二軍」の筆でOK
- コルネ(OPPシート)・セロテープ・マスキングテープ
- 木工用ボンド /皮がはがれたとき用
- ティッシュ・ラップ・ジップロック
0
観察:メロンの「4つの緑」
作り始める前に、本物か写真を手元に用意します(スマホで「メロン」「夕張メロン」と検索してOK)。
| 部分 | 特徴 |
| ① 果肉 | 黄緑だけど思っているより黄色い。種に近いほど黄色くなる(中心から熟すため) |
| ② 果肉と皮の間 | 濃い緑が一層入っている |
| ③ 網目の内側 | 緑 |
| ④ 網目 | 立体的。思っているより白っぽく黄色っぽい |
この4つの緑を1つずつ合わせないと、どこか不自然なメロンになります。
夕張メロンだけの違い
- 果肉は明るく強めのオレンジ
- オレンジの果肉と皮の間に、緑の層が一層ある(普通のメロンでは果肉と同じ色で見えないだけ)
★観察がクオリティを決める
「果肉をオレンジに変えればいい」と頭だけで考えると、この緑の層に気づけません。小さなところに気づけるかどうかで、本物らしさが変わります。
1
粘土を計量・オイルを塗る
スケールH 1個分 = 半割メロン1個分(大きめはI、小さめはGでもOK)。作りたい個数分、3種類を計量します。
- メロンの果肉:H × 個数
- 夕張メロンの果肉:H × 個数
- 夕張メロンの緑の皮:H × 個数夕張メロン1個につきH 1個分。量はだいたいでOK。
- 計量したらすぐラップ。元の粘土もラップしてジップロックへ樹脂粘土はちょっとした作業の間にも乾きます。
- 綿棒にベビーオイルをつけ、スケールのHの穴にたっぷり塗り込む少ないと、あとで抜けなくなります。
💡オイル塗りの便利グッズ
ダイソーのメイクコーナーにあるリップ用の詰め替え容器(スポンジチップ付き)にベビーオイルを入れておくと便利。必ず液を入れてからフタを閉めること(空のまま閉めると開かなくなります)。
2
果肉を着色する
メロン(メロンシロップ)
⚠メロンシロップは振らない!
このシロップは緑が下に沈み、上に黄色が乗った二層になっています。振らずに使うことで黄緑を出します。
- 爪楊枝を混ぜずに瓶へまっすぐ差し込んで引き上げる先が緑、上が黄色になっています。
- 粘土に少しずつのせて混ぜる。緑はほんの少しで十分
- 手元の写真を見ながら、緑の量を調整して色を足していく
- 振ってしまった場合:緑をほんの少しだけ取り、レモンシロップを足して黄緑を目指す
- 目指すのは熟したメロンの「少し黄色寄り」。緑寄りだと熟していない硬いメロンに見えます
- 樹脂粘土は乾くと少し濃くなるので、目標の色の手前で止める
♡迷ったら薄めに
薄い分はカット後にリカバリーできますが、濃すぎると戻せません。
💡塗料の扱い
固まるのがとても早いので、使ったらすぐフタを閉める。瓶の口についた塗料は拭き取る(フタが開かなくなります)。
メロンの果肉の色(思っているより黄色寄り)
夕張メロン(オレンジシロップ)
- オレンジシロップを爪楊枝でのせる。たっぷり入れてOK
- 一気に入れると手が汚れるので、少しずつ折り込むように混ぜる
- 写真を見ながら、明るくパンとしたオレンジを目指す
- 着色したらラップで包み、すぐ手を洗う(時間がたつと落ちません。服にも注意)
夕張メロンの果肉の色
★なぜアクリルガッシュでなくシロップ?
メロンは透け感のあるフルーツ。アクリルガッシュは透明感を消してしまうので、透明度のあるシロップ系の塗料で色を入れます。
3
スケールに詰める・取り出す
- 粘土をよくこねて空気を抜く
- 表面をつやつや・つるつるに整えるひびがあると、そのまま残ります。
- Hに押し当て、ぎゅっぎゅっと押し込む。はみ出た分は取り除く
- 裏側からも見て、しっかり密着しているか確認上の面はでこぼこでもOK(あとで切り落とします)。
- 縁に親指を少し入れて押すと反対側が浮いてくる → そこから手で取る
- 真ん中に爪楊枝を刺し、スポンジの上で乾かす
- メロンを取り出したら、Hにもう一度オイルを塗って夕張メロンも同じように詰めて取り出す
- 抜けないときはオイル不足のサイン。30分ほど置くと抜けやすくなります
⚠爪楊枝は深く刺しすぎない
種の部分(あとで取り除く範囲)までならOK。それより深いと穴が残ります。
4
夕張メロンの緑の皮をかぶせる
着色して薄く伸ばす
- 皮用の粘土に松葉色を爪楊枝で少しずつ入れる写真を見ながら濃さを決めます。
- H 1個分を丸め、OPPシート2枚で上下を挟む
皮用の粘土の色(松葉色)
- アートプレッサーで押す。粘土をくるくる回しながら少しずつ、裏返してもう一度
- 目安は直径約5cm/厚さ約1mmいろいろな方向から厚みを確認。中心だけ厚くなっていないか触ってチェック。6cmまで広がったら薄すぎるのでやり直し。
💡アートプレッサーのコツ
外側に力が入りやすく、真ん中が盛り上がりがち。内側から外側へ力をかけるイメージで。力が足りなければ立って押します。
果肉にかぶせる
- 皮をはがし、夕張メロンの果肉(丸い面)の真ん中に置く
- ひだを寄せながら包み込む
- ひだの部分をハサミで切るギリギリではなく少し上目で。
- 重なった部分をしっかり押さえ、厚みを均一に整える
- 浮いている部分をもう一度ハサミで切り落とす
- クリアファイルの上で軽く押しつけながら、しっかり密着させる
- 爪楊枝を刺してスポンジで乾燥
★密着がいちばん大事
カットのときボンドが刃に詰まるので、ここではボンドを使いません。そのぶん密着が甘いと、切ったあとに皮がはがれます。「最初から一つだった」くらいに一体化させてください。
5
皮と果肉の間の「濃い緑」を塗る
ディープグリーン
ローアンバー
を 1:1
- 2個分で直径1cmくらいの量を出して混ぜる
- 水はほぼ含ませず、もったり重たい絵の具にする
- すーっと塗るのではなく、ベタベタのせるように厚塗り薄く塗ると、カットしたときに緑の層が見えません。筋や筆跡はついていてOK。
- メロン・夕張メロンとも塗り、スポンジで乾かす爪楊枝まわり(切り落とす部分)は汚れても気にしなくてOK。
メロンの濃い皮の色(ディープグリーン+ローアンバー、水なしでもったり)
6
網目の準備(モデナペースト・コルネ)
網目用のモデナペーストを作る
量の目安は直径3cm分くらい(量産したい方は多めに)。
- モデナペーストにホワイトを先に混ぜる透け防止。網目は透けていないため。
- 松葉色を少々
- イエローオーカーを少々
- 手順5のディープグリーン+ローアンバーを少々
- 写真と見比べながら少しずつ調整入れすぎると戻せません。乾くと少し濃くなります。
網目模様の色(白っぽく、ほんのり黄緑)
♡網目は思っているより白っぽい
メロンが緑に見えるのは、網目の内側が緑だから。網目自体は白っぽく黄色っぽい色です。
💡モデナペーストの扱い
乾くと半透明になり、少し色が濃くなります。内ブタは捨てず、フタはしっかり閉める。清潔なスプーンで取る(汚れた道具だとカビることも)。使い始めの柔らかさを覚えておくと◎。
チョコソースでホワイトを入れないのは、絵の具の量が多くて透けないから。今回は絵の具が少ないのでホワイトで透けを防ぎます。
コルネに入れる
- 爪楊枝ですくってコルネに入れる入れすぎるとあふれます。
- 口を三角に折り、さらに2回折ってセロテープで止める
- チェック:押してみて、先端から出てこなければOK押しただけで出てくる場合は、先端が締まっていないので作り直し。
コルネの作り方
- 正方形のOPPシートを対角線で切り、三角形にする(サイズは自由)
- 底辺の真ん中を指で持ち、そこからくるくる巻く
- 反対側のラインと合ったところでセロテープで止める
- 親指と人差し指で先端の穴をキュッと締め切る先端が尖り、穴が開いていない状態に。穴があると細い線が描けません。
- セロテープで止め、上の余分を切り落とす
- 作り直すとき:新しいコルネを用意し、古いコルネの先を切って絞り入れれば入れ替えられます
- 残ったペースト:先端をテープでぴったりふさぎ、ジップロックへ。数日もちます
7
網目の内側の緑を塗る
ホワイト
松葉色
イエローオーカー
ディープグリーン
- 写真を見ながら色を決める
- ここも水は含ませず、もったり。厚塗りするので絵の具は多めに作る
- 手順5の濃い緑の上から、ペタペタ塗り重ねて乾かす
- ひび割れができていても気にしなくてOK(網目で隠せます)
メロンの2回目の皮の色(網目の内側の緑)
8
網目を描く(コルネ)
- コルネの先端をほんの少しだけ切る切りすぎると線が太くなります。
- まずOPPシートで、まっすぐの線・波線などを描いて練習
- メロンに描く:コルネ側は固定して一定にしぼり出し、爪楊枝の軸をくるくる回して全体に
- 模様はランダムでOK。線をどんどんつなげていくイメージひび割れが見える部分は、網目で隠すように描きます。
網目は細かく細かく
★細かいほど本物らしい
網目が粗いとメロンらしさが落ちます。できるだけ細かく埋めていきましょう。
💡きれいに描くコツ
片手にティッシュを持ち、先端が汚れたらすぐ拭く。詰まったらコルネをもみもみして流す。
線が太くなる原因は、先端が細くできていない/切りすぎ/力の入れすぎ(力はほとんどいりません)。
♡なぜ絵の具でなくモデナペースト?
網目はぷっくり立体的だから。絵の具だと平面的になります。細い線は練習あるのみ。1回で成功させようとせず、何度もやってみてください。
9
カットする(4〜5時間置いてから)
置く時間の考え方
| 置く時間 | カット | 質感づけ |
| 短い(中が生) | 難しい(つぶれやすい) | つけやすい |
| 長い | 簡単 | つけにくい |
- 慣れないうちは長めに置いてOK。上達すると短い時間でも切れるようになります
- 余裕があれば、4時間後と8時間後で切りやすさ・質感を比べる実験もおすすめ
半分に切る → 上面を落とす
- カッターの刃を真上から見て一本の線に見える向き(垂直)に構える
- 支える手は添えるだけ押しつけるとつぶれます。
- 中心を決めて、のこぎりのようにゆっくりギコギコ切る
- 一番下は硬いので、最後にぐっと力を入れてスパッと切る
- 汚れた上面(スケールの口側)を約1mm、同じ要領で切り落とす
質感をつけて、4等分に
- すぐ使わない分はラップしておく
- 断面を歯ブラシでトントン叩いて、果肉のボコボコ感を出す
- 横から覗くように中心を決め、さらに半分に切る皮側・断面側、やりやすい方から。
- 新しい断面にも歯ブラシで質感をつける
- ピンセットで種の部分をこそげ取る。裏返して反対側もきれいに取りすぎず、少しもさもさ感を残すと本物らしくなります。
カット後の断面
⚠カッターの刃は毎回拭く
1回切るごとに必ず拭きます。粘土が残ると切れ味が落ちます。
💡夕張メロンのトラブル対処
皮がはがれた:カット後ならボンドでOK。はがれた部分にボンドを塗って貼り付けます。
先端のラインがそろわない:ハサミで先端をカットして整えてOK。
10
仕上げ(1日乾燥させてから)
メロン:完熟感を足す
- レモンシロップを水(または薄め液)でかなり薄める
- 筆にたっぷり含ませてティッシュオフ
- 種があった部分に、ちょんちょんとなじませるように少しだけのせる塗るか塗らないかで、熟した感じがかなり変わります。
- 果肉の色が薄すぎたら:メロンシロップをものすごく薄めて果肉に塗ると、少し色を足せます
夕張メロン:完熟感を足す
- オレンジシロップを水でかなり薄める
- 筆にたっぷり含ませてティッシュオフ
- 種があった部分に、ちょんちょんとなじませるように少しだけのせる
夕張メロン:境目をなじませる
- 松葉色を水たっぷりで薄め、ティッシュオフ
- オレンジの果肉と緑の皮の境目に、見えるか見えないかくらい薄く色を入れる
- 反対側も同様に
ニス
| 部分 | 仕上げ |
| 果肉(断面) | ジェルメディウムを綿棒でトントン。ボコボコ感を残しながらツヤが出ます(ツヤありニスでも可) |
| 皮 | ツヤなしニス(メロンの皮はツヤがないため) |
- ジェルメディウムはたっぷりのせてOK。白く見えても乾くと透明になります
- 夕張メロンは皮の際(緑の層)までしっかりのせると、断面に一体感が出ます
- 長く置いて歯ブラシで質感がつけられなかった場合も、ジェルメディウムで質感を足します
完成
Q
レッスン中の質問から
桃はアクリルガッシュのイエローだったのに、メロンはなぜシロップ?
桃は入れる黄色の量がとても少ないので、ガッシュでも透け感にほとんど影響しません。メロンは色をしっかり入れるので、透明感のある塗料を使います。
レッスン動画が唯一の正解ではありません。「レモンシロップで着色したら?」と自分で実験して、好きな方を選ぶのもおすすめです。
今から乾かして16時ごろのカットは、初心者には早い?
少し早めですが、物理的には切れます。難しいかもしれませんが、やってみるのも良い経験です。
爪楊枝を浅く刺すと、色塗りのときにぐらぐらする
爪楊枝の軸を回しながら、人差し指を作品に軽く添えると、ぐらつかずに塗れます。イチゴを塗るときも同じです。
✦
透け感は「粘土 × 塗料」で決まる
モデナ × ガッシュ(白+色)透けない
モデナ × シロップちょい透け
モデナ+スケルくん × ガッシュちょい透け
スケルくん × ガッシュちょい透け
スケルくん × シロップいちばん透ける
作りたいフルーツの質感にどの組み合わせが近いかは、実験してみないと分かりません。これが自在にできるようになると、粘土と塗料を自分で選べるようになります。
★上達のポイント
必ず本物か写真を見ながら作る。動画だけを見て作ると、頭の中の解釈で本物から離れていきます。レモンなどは実物を輪切りにして見るだけでも変わります。
指定した絵の具は「この種類で色を作る」というヒント。配分は写真と見比べて自分で決めましょう。
色合わせもアイシングも、1回で成功させなくてOK。「前回はこうだったから今回はこうしよう」と何度もリトライするのが一番の上達法です。